ため池死亡事故多発・・なぜ溺れる?

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ため池に不法侵入し溺れてしまうという事故がニュースになっている。

しかし、画像を見る限り、そこまで危ない池にはみえないように思える。

ため池は海と違い、大きな波もなく、川のように流されていくこともない。

ではなぜ、ため池での事故が発生してしまうのか。

少しでもこのような事故を減らすべく、調べてみようと思う。

大分県のため池で溺れ二人死亡

6日午前11時10分ごろ、大分市横尾の雲川ため池で釣りをしていた会社員重永華寿季(かずき)さん(18)=北九州市八幡東区=が誤って池に転落、助けようとした会社員堤隆太さん(23)=佐賀県白石町=も溺れ、約1時間半後に消防隊員が引き上げたが、いずれも病院で死亡が確認された。死因は共に水死とみられる。

引用:Yahooニュース

このため池では、過去に中学3年の男子が溺れ、死亡する事故も起きている。

いずれの事故も、釣りを目的とした不法侵入で起きたもので、関係者は「注意しても言い返される」と述べている。

このため池に限らず、ほとんどのため池は進入禁止になっていたり、危険を促す看板が立てられていたりする。

つまり、それほどまでにため池は危険だということだ。

しかし、不法侵入による事故は絶えない。

おそらく、ため池がどのくらい危険なのかわかってないのではないだろうか

なぜ溺れてしまうのか

危険だと分かっていながら不法侵入するのというのはきっと、「自分は大丈夫」だと思ってしまうのだろう。

その理由を3つあげてみよう。

1つ目は、はじめに書いたように、海や川と違い流されることはないと思えてしまうこと。つまり、ため池自体を危険だと思っていないというパターンだ。

2つ目は、泳ぎに自信があって自分は絶対におぼれることはないと確信していること。

3つ目は、泳ぎの得意な人と一緒に来ているから大丈夫だと思ってしまう、もしくは、いざとなったら救助を呼べば大丈夫だとどこかで思ってしまっていること。無意識のうちに、きっと助けてもらえるとどこかで期待しているのだ。

だが、このような自信は思い込みに過ぎず、事故が起きてしまっているのが現状だ。

こんな風に思ってしまっているのならすぐに考え直してほしい。

これらのことは、すべて間違いなのである。

その原因について詳しく見ていこう。

●3cmあれば人は溺れる

ため池は、灌漑のために人工的にためられた池だ。

思っているよりもとても深い。

今回事故があった大分県のため池は水深7~8mもの深さがあった。

8mというと建物の3階ほどの高さだ

人間は、口の周りを水で覆われるだけでも溺れて窒息してしまう。

体が動かない状態ならば、水深たったの3㎝でも溺れることがある。

実際に、水たまりで溺れてしまったという人もいる。

ため池は、人が溺れるには十分すぎる場所なのだ。

●ため池の構造上這い上がれない

ため池がどんな構造をしているかご存じだろうか。

ため池は、ただの四角い池ではない。

ため池の形は台形で、いわば蟻地獄のような形になっている。

一生懸命もがいても、岸にたどり着くことが難しいのだ。

ため池で溺れた場合は、無理にもがくよりも、仰向けになって救助を待った方がいいという。

●判断力が著しく欠ける

池に落ちるというのはとても楽しいものではない。

溺れないと思っていながらも、いざ水に入るとものすごい恐怖が襲ってくる。

パニックになると、判断力が著しく欠ける。

おそらくこの精神状態は実際にパニックにならないと分からない。

普段から泳ぐことが好きで慣れていたとしても、息継ぎのしかたを忘れてしまったり泳ぐことができなかったりすると溺れてしまうこともあるのだ。

●水が冷たい

思ってるよりもため池のみずは冷たい。

冷たい水の中では、体温がどんどん奪われていく。

そんななかで、うまく泳ぐことなどできるわけがないだろう。

さらに、冷たい水の中で変にもがこうとすれば足をつる

足を吊ってしまえば自由に動くことができないのも当然だ。

●錐体内出血が起こる

溺死者の50~60%は「錐体内出血」が起きていることがわかっている。

錐体内出血とは、耳の中の中耳や内耳を取り囲んでいる錐体というとこが内出血をおこし、三半規管が働かなくなることである。

そうすると、ひどいめまいに襲われ、立っているのか宙吊りになっているのかさえ分からないような状態になってしまう。

これは、息継ぎをしようとしたときに、水を吸い込んでしまうなど何らかの原因で、耳と鼻の間の管に水が入り込んでしまうことによる。

すると、耳の中で錐体内が圧迫され、出血してしまうのだ。

水死者の半分以上がこの状態になってしまうというのは驚きだ。



●助けに行った人が溺れる事故が多いのは?

今回の事故もそうだが、溺れている人を助けに行こうとして溺れ、結果亡くなってしまうという事故はとても多い。

溺れている本人ももちろんパニックになるが、それを見ているほうもかなりパニックになっているのだ。

あなたは、大切な友人や家族が、目の前で溺れ苦しんでいたらどう思うだろうか?

もしかしたらこのまま死んでしまうかもしれない。

どうにかしなければと、相当焦っているはずだ。

たとえ、どんなに泳ぎが得意であったとしても、こんな精神状態でいつも通りに泳ぐことができるだろうか。

普段から緊急事態を想定して訓練しているライフセーバーとは違うのである。

そして、いつものように泳げないと思うことでさらにパニックに陥り、呼吸ができなかったりそれによる錐体内出血を起こしたりしておぼれてしまうのだ。

すべては自己責任。ため池には入らない

このようにため池は、死亡事故がとても発生しやすい場所なのである。

だが、本来それははじめからわかってるはずなのだ。




今回の事故については、Twitterでも自己責任だという厳しい声が上がっているが、実際その通りだとしか言いようがない。

ため池に限らずとも危険な箇所には必ず看板が立てられているし、危険だからこそ立ち入りを禁止している。

それを考えず、不法侵入していては防げるはずの事故も防げない。

周りの人間は、「入るな」と注意するより他ないのだ。

もし、ため池や、危険な場所に近づこうと思っているのならば、もう一度よく考えてほしい。

危険だと言われているのには、必ず理由がある。

自分の身を守れるのは自分だけなのだ。

1人1人がもう一度意識しなおすべきだと考える。

安全に対する意識を改めて、このような事故が二度とないことを祈るばかりだ。



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